債務整理でよくある質問(破産、再生、任意整理)

債務整理を弁護士に相談する前、弁護士に依頼した後、色々と疑問に思うことや、心配な点がでてきます。

ここでは、債務整理で質問の多い事項について、回答をいたします。

このページの目次

1. 破産でよくある質問事項

破産では、財産を全て取られてしまいますか。

時価99万円の財産は残しておけます。

破産管財人が自宅内に入って家具や家電などを持っていくことはありません。管財人が自宅に入ることがほとんどありません。

また、99万円を超える場合には、その財産を購入して残したいという希望を出すことも可能です。

破産の弁護士費用はどのように支払えばいいですか。

分割が可能な法律事務所もあります。債権者への弁済は、弁護士に依頼した後にはストップしますので、その範囲内で支払える額を弁護士費用に充当してください。

銀行は使えなくなりますか。

借入がある銀行や返済に利用している銀行口座は、一定期間凍結されたり使えなくなったりすることがあります。事前に弁護士と協議して、どの銀行を使っていくか、給料振込先をどうするかなどを決めていきます。

そのような相談に応じてくれる弁護士は、破産などに精通している弁護士といえるでしょう。

破産をしても、問題なく銀行で新規口座開設をすることができるようです。

保険は解約しておく必要はありますか。

破産での保険の時価は、解約返戻金を基準にします。現時点での解約返戻金を確認して、合計99万円の範囲内であれば、残すことができます。

督促はいつ停まりますか。

弁護士が受任通知を出してから1週間程度です。

家族に内緒で破産ができますか。

基本的に、弁護士に依頼している場合には、裁判所から自宅に書類が届くことはありません。以下の必要書類を集められれば、内緒で進められることがあります。取得は複数回必要になります。

  • 同一家計の方の給与明細、源泉徴収票
  • 同一家計の方が支払っている水道光熱費、携帯代金の明細、領収書、通帳等

詳しくは、破産に精通した弁護士に相談してみてください。

破産で自動車はとられてしまいますか。

所有権留保のある自動車は、破産でも再生でもその自動車自体を残すことはできません。

もっとも、破産では99万円以下の自動車であれば残せる可能性が高いです。個人再生では、所有権留保がついていなければ自動車を残すことが可能です。

勤務先(職場)にはばれてしまいますか。

勤務先(職場)にばれてしまうことは、基本的にありません。

もっとも、以下の場合には、ばれてしまう可能性があります。

  • 勤務先に借り入れがある場合
  • 退職金の現在額証明書、計算書、就業規則(退職金規程)のいずれかを取得するときに、勤務先に破産を伝えないと取得できない場合
    (但し、労働契約書等に退職金がない旨の記載がある場合には、不要になります。)

破産をする前に自宅を売却した方がいいですか。

自宅を売却する前に、弁護士に相談した方がいいです。

破産前には、破産法という法律で色々な規制があります。

それに違反しないように書類を集めたり手続きを進めたりする必要がありますし、破産手続きのスムーズな進行、譲渡所得税、残す財産、その他ご希望等の諸事情を勘案して、任意売却をして破産をした方がいいのか、売却しないまま破産をした方がいいのか、判断が必要だからです。

破産前に財産分与や財産処分をしたが、破産で問題になるか。

財産分与で過大なものは、破産手続きで否認されるリスクがあります。

基本的には、2分の1以内がいいでしょう。破産前の売却は、それが時価より安い場合は、否認される可能性があります。贈与も、基本的には否認されますので、注意しましょう。判断に迷ったら、その行為の前に弁護士に相談しましょう。

ギャンブル、投資、浪費をしていたら個人再生の方がいいですか。

ギャンブル、投資、浪費等は免責不許可事由ですが、破産の実務上、ほとんど裁量免責になります。ですので、まずは破産を検討していいでしょう。

もっとも、免責不許可事由が著しい場合、管財人面談をしたくない場合、絶対に残したい財産がある場合などでは、個人再生を選択することを検討します。

家族の財産はとられてしまいますか。

破産手続きでの財産は人単位で考えます。配偶者や家族であっても、財産は別に考えます。

よって、破産をする人以外の財産がとられてしまうということはありません。

もっとも、破産をする人が、申立前に現金100万円を妻に渡した等の場合は、それが否認されたり、そのお金を預けているだけとみられたりすることがありますので、破産を依頼する弁護士に相談しながら進める必要があります。

任意整理から破産に方針変更できますか。

当事務所では、任意整理から破産に変更する方からのご相談を多く受けております。過払金がほぼなくなった現在では、任意整理の効果は極めて弱いからです。

悪徳な事務所の場合には、減額より弁護士費用の方が高かったというはなしも聞きます。任意整理を依頼する場合には、自分にとって本当に任意整理が適切なのか考えましょう。

破産の同時廃止と管財事件の線引きは何ですか。

管財事件は、以下のような場合になります。

  1. ギャンブル、投資、浪費などの免責不許可事由がある場合
  2. 事業をやっている場合
  3. 個別の財産が20万円を超えている(例:保険の解約返戻金40万円、預金30万円…)

2. 個人再生でよくある質問事項

自宅は残せますか。

住宅ローン条項(特則)を使えば残せます。もっとも、自宅の価値と住宅ローンの関係で、後述する清算価値の観点から、返済額が多くなることがあります。

住宅ローンのない自宅は残すことは通常困難です。時価が低い不動産は、残すことが可能ですが、清算価値がその分上がります。

「清算価値」とはなんですか。

自分の財産の時価総額です。ほとんどの家具、家電は0円とみなされます。不動産は、時価と住宅ローンの差額が時価となります。

自動車は残せますか。

個人再生では、所有権留保のない自動車は残すことが可能です。所有権留保がある場合には引き揚げられますが、自動車を現金で購入することは可能です。

保険は解約する必要はありますか。

個人再生では、特に解約する必要はありません。もっとも、高額な解約返戻金がある場合には、一部解約したり借り入れをしたりした方が得な場合があります。

再生での返済総額はいくらですか。

住宅ローンを除いた債務総額が1500万円以下の場合、債務の5分の1と清算価値の高い方の額です。

ただし、最低返済総額は100万円以上です。これを、3年又は5年で返済していくことになります。

ギャンブル、浪費、投資などの免責不許可事由がある場合には、破産ではなく個人再生を選択した方がいいですか。

免責不許可事由があっても、実務上は、裁量免責が認められることがほとんどです。破産の方の借金が0になり経済的負担はなくなります。

職業、収入、残したい財産などの希望をふまえて、弁護士と相談して決定します。残したい財産がある場合には、個人再生を選択する可能性が高くなります。

3. 任意整理でよくある質問事項

任意整理は簡単ですか。

破産や再生と比べると必要書類も少なく、手続きは簡単です。また、任意の債権者と行うことも可能です。但し、減額効果は極めて弱いです。

任意整理によって借金は減りますか。

最近は、元金はほとんどそのままです。要するに現時点と比べて借金はほとんど減りません。将来利息や遅延損害金がなくなることがあります。

効果が弱いので、本当に自分にとって任意整理が適切か、信頼できる弁護士の提案を受けましょう。簡単という理由で、破産や再生が適切なのにもかかわらず、任意整理を勧める法律事務所、司法書士事務所に注意しましょう。

当事務所では、任意整理から破産、再生に流れてしまうご相談が増えています。

任意整理の方が信用情報の回復が早いですか。

一般的に、そのように言われることがありますが、一概にはいえません。

5年や7年などの抹消される期間の起算点が違うからです。任意整理で「完済」から5年で抹消される信用情報機関の場合、完済までの期間が3年だと8年かかってしまいます。

そうすると、破産の開始決定から7年で抹消される信用情報機関より、長くなってしまうことになります。

まとめ

債務整理では、依頼する前、依頼した後、色々と不安になるものです。信頼できる破産に精通した弁護士をみつけることがポイントです。

相談段階で明確な回答がない場合には、もう一人くらい弁護士に相談してもいいかもしれません。

当事務所のサポート 

当事務所は、破産・再生に特化した法律事務所です。

債務整理のご相談では、ご状況をお伺いして、最善の選択肢をご提案させていただきます。手続きが簡単という理由で任意整理をご提案するということはありません。

まずは、破産、再生に精通した弁護士にご相談してみてください。今よりも精神的に楽になれるはずです。

keyboard_arrow_up

0477038067 問い合わせバナー 無料法律相談について