会社の財務危機を弁護士とともに乗り越える方法

会社が財務危機に直面した際、迅速かつ適切な対応が必要です。経営者は、資金繰りの改善と債権者への対応を戦略的に進める必要がありますが、このような複雑な状況では、税理士、弁護士の支援を受けることが有効です。

税理士、弁護士は、財務と法務の専門知識を活用して、会社が最善の結果を得られるようサポートしてくれるでしょう。ここでは、財務危機を弁護士と共に乗り越えるための方法について解説します。

1. 財務危機における弁護士の役割

弁護士は、財務危機に直面している会社に対し、法的な観点から解決策を提供します。

具体的には、債務整理の方針決定債権者との交渉法的手続きの実施などの手続サポートを行います。

1-1. 財務状況の分析とアドバイス

弁護士は、会社の財務資料を基に現状を分析し、法的手続きを含めた適切な債務整理の方法を提案します。

例えば、借入金の総額や返済期限、会社の資産状況、事業収益などを評価し、どの手続きが最も効果的かを判断します。

法的リスクの洗い出し

会社が債権者に対して負う義務を把握し、将来のリスクを最小限に抑えるためのアドバイスを行います。ここでのリスクには、経営者個人のリスクも含みます。

再建計画の策定

弁護士が経営者と一緒に再建計画を立てることで、現実的な事業継続の道筋を明確にします。

2. 債権者との交渉を進める

財務危機において、債権者への対応は避けて通れません。弁護士は、債権者との交渉を代理することで、返済条件の緩和や債務減額を目指します。

2-1. 債務の返済条件の変更交渉

弁護士は、債権者と返済条件の変更交渉を行います。もっとも、早期の段階では、弁護士に依頼しないでも、金融機関と直接交渉していいでしょう。

以下のような返済条件の見直しが可能になります。

  • 返済期間の延長
    毎月の返済額を減らし、キャッシュフローを改善する
  • 利息の減免
    支払い負担を軽減するために、利息の削減を交渉する
  • 元金の一部カット
    債権者の同意を得て、元金の一部を減額する

メリット

弁護士が入っていない段階では、信用情報に影響を与えないまま条件変更できる場合があります。

デメリット

大幅な債務の減額は期待できません。

3. 選択肢の明確化と最適な債務整理方法の選定

会社の財務状況に応じて、弁護士は以下のような債務整理方法を検討し、最適な手続きを選定します。

3-1. 私的整理

私的整理は、裁判所を介さずに債権者と交渉し、返済条件を変更する方法です。スピーディーに進められる点がメリットですが、債権者の同意が必要です。

具体的な流れ

弁護士が債権者に対して、会社の財務状況や再建計画を説明し、合意を取り付けます。

対応策

複数の債権者がいる場合、調整役として弁護士が動き、交渉を円滑に進めます。

3-2. 民事再生

民事再生は、裁判所の監督のもとで債務を整理し、事業を継続する再建型の手続きです。弁護士は、再建計画の策定から債権者集会での承認まで、手続きの全てをサポートします。

メリット

会社が再建しながら債務を大幅に減免できる

具体的なサポート

弁護士が再生申立書を作成し、再建計画の実現に向けて会社を支援します。

3-3. 事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)

事業再生ADRは、第三者機関が仲介役を務めて債務整理を行う手続きです。弁護士は、この手続きを通じて、迅速かつ円滑に再建を目指すための調整を行います。

効果

債権者との調整が柔軟に進み、債権者との合意が得られる可能性があります

4. 財務危機を防ぐためのリスク管理と法的な助言

財務危機を乗り越えた後も、弁護士は会社が再び同じような状況に陥らないよう、法的なリスク管理の助言を提供します。

4-1. 経営の健全化とコンプライアンス

財務管理の強化

弁護士と連携して、透明性のある財務管理を導入し、会社の財務健全化を目指します。

法令遵守

税務や労務管理において、法律を遵守することで、将来的なトラブルを回避します。

4-2. 債権管理とリスク予防

契約書の見直し

取引先との契約書を法的に見直し、支払い遅延や不履行などのリスクを最小限に抑えます。

取引先の信用調査

新規取引先との契約前に、信用調査を行うことで、財務リスクを防ぎます。

5. 危機を乗り越えるための行動計画

財務危機に対処するための行動計画を立て、弁護士とともに具体的なアクションを実行することが重要です。

5-1. 緊急キャッシュフロー改善策

支出の見直し

不要な経費を削減し、キャッシュフローを改善します。

資産売却

事業に必要のない資産を売却して、資金を確保します。適正な時価で売却するようにしましょう。

5-2. 法的手続きを迅速に進める

弁護士とともに、債権者の強制執行や差し押さえを防ぐために、必要な法的手続きを迅速に行います。これにより、会社の事業運営を守りつつ再建を目指します。

まとめ

会社の財務危機は、早期に弁護士と連携することで、倒産を防ぎ、再建の道を切り開くことが可能です。財務問題が生じた際は、躊躇せずに専門家に相談することが、会社の未来を守る第一歩です。

まずは顧問税理士に相談し、税理士では対応できないとなった場合には、弁護士に相談するという流れでいいと思います。

当事務所のサポート 

当事務所は、破産・再生に特化した法律事務所です。財務危機に直面する企業の経営者に向けて、法的支援を提供しています。経営者が連帯保証をしている場合には、迅速な対応をしないと、経営者のその後の生活に強い影響を与えます。

貴社が財務危機に陥った場合には、まずは信頼できる税理士に相談し、税理士でも回復困難と判断された場合には、破産、再生に強い当事務所にご相談ください。

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